フラポッパーの使い方|「動かさない」が武器になる古典ポッパーを徹底解説|なまずライフ(仮

フラポッパーの使い方|「動かさない」が武器になる古典ポッパーを徹底解説

公開日: 2022/03/06

 

フラポッパーの使い方|「動かさない」が武器になる古典ポッパーを徹底解説

ひと昔前なら、300円くらいで新品がワゴンセールされていたフラポッパー。

昔はどこでも買えたような気がするのに、最近ではワゴンセールからも卒業してしまったのか、探してもなかなか見つからない。

そんなフラポッパーを、今さらながら本気で使ってみようと思った。

理由は単純。

そろそろ、このルアーの使い方をマスターしておかないと死ぬに死にきれない。

……というのは半分冗談で、昔から知っているルアーなのに、実は自分自身が「フラポッパーの何がそんなに良いのか」を完全には理解できていなかったからだ。

せっかくなので、基本から使い込んでみることにした。

そして答え合わせは、例のアイツとの勝負で。


フラポッパーというルアー

フラポッパーは、アーボガストを代表するトップウォータープラグのひとつ。

大きな頭に、腰ミノのようなフラスカート。

今どきのリアル系ルアーとは正反対の、なんともファンシーで愛嬌のある姿をしている。

アメリカでは長く使われてきた定番のバスプラグだが、日本ではジッターバグほどの人気はないように思う。

それでも、アーボガストのラインナップから長く消えずに残っている。

何十年も前から存在し、今でも使われている。

それだけでも、このルアーには何か理由があるはずだ。

正直、最初は「使いにくいポッパー」だった

フラポッパーは、ポップ音を出すだけなら非常に簡単だ。

軽くロッドを操作するだけで、「ボコッ」と独特の太く低い音を出してくれる。

ところが、問題はその先。

普通のポッパーなら、首を振らせたり、左右に滑らせたり、細かく移動させたりと、いろいろな操作ができる。

フラポッパーは、そういう軽快な動きが得意ではない。

強く引けば動く。

しかし、あまり気持ちよく首を振ってくれない。

飛距離も出しにくい。

空気抵抗が大きく、ボディの浮力も強い。

使っていると、

「これでいいのか?」

と思ってしまう。

ところが、逆に考えてみると、これは大きな特徴でもある。

これだけ簡単に大きな音を出せるのに、ほとんど移動しない。

こんなルアーは、そうそうない。

フラポッパーの最大の武器は「動かないこと」

フラポッパーを使い込んでいくうちに、だんだん見えてきたことがある。

このルアーは、軽快に動かして楽しむポッパーではない。

ポップして、待つ。

これが基本なのだと思う。

特に重要なのが「待つ」こと。

フラポッパーは、弱くロッドを操作しても十分なポップ音を出す。

それなのに、ルアー自体はほとんど手前に寄ってこない。

つまり、

魚を呼ぶための音は出すけれど、ルアーそのものは魚のいる場所から動かさない。

これがフラポッパーの面白いところだ。

普通のポッパーで何度も首を振らせていると、気が付けばルアーがどんどん手前に来てしまう。

フラポッパーなら、同じ場所でネチネチ誘いやすい。

魚の反応範囲が狭い場所や、プレッシャーの高い状況では、この「動かなさ」が武器になる。

フラスカートは飾りではない

フラポッパーを特徴づけているのが、あのフラスカート。

昔ながらのラバー製スカートなので、劣化は早い。

ワームなどとの接触や高温も避けたほうがいい。

使用後にベビーパウダーを軽くはたいておくと、保管時の劣化を抑えやすい。

このスカート、見た目だけのものだと思っていた時期があった。

ところが実際にスカートを外して使ってみると、明らかに違う。

もちろんスカートなしでも魚は出る。

しかし、ロングポーズでの反応や、バイトの強さを比べると、スカートが付いているほうが明らかに面白い。

特にポーズ中。

水面でほとんど動いていないように見えても、フラスカートが水に馴染み、わずかな水流で揺れている。

この「何もしていない時間」が、フラポッパーではかなり重要なのではないかと思う。

基本は「小さくポップして、長く待つ」

私が現在フラポッパーを使うなら、まずこれ。

  1. キャスト
  2. 着水
  3. しばらく待つ
  4. スカートが水に馴染んだところで軽くポップ
  5. また待つ

これだけ。

ポイントは、ルアーを移動させるためにロッドを操作しないこと。

「音だけ出して、ルアーをその場に置いてくる」

そんな感覚で使う。

特に魚の反応が遠くない場所では、この釣りが面白い。

5秒、10秒と待つこともある。

もちろん、その日の状況によって正解は変わる。

しかし、フラポッパーを使うなら「早く動かさなければ」という気持ちは捨てたほうがいい。

むしろ、

待てる人ほど、このルアーの良さが分かる。

カップの水量でも音が変わる

フラポッパーは、カップの中にどれくらい水を含んでいるかでもアクションが変わる。

カップに水を含んだ状態で軽く操作すると、チュプチュプした甘い感じのポップ音を出しやすい。

一方で、カップに水がない状態からロッドを操作すると、ボディを揺らすようなアクションを出しやすい。

強く引けば「ゴボッ、ゴボッ」とかなり大きな音も出せる。

ロッドを下向きに操作すれば音を強くしやすく、上向きに操作すればスプラッシュを増やしやすい。

見た目は単純なルアーだが、操作による音と水の出し方には意外と幅がある。

フラポッパーのもう一つの武器「ダイブ」

フラポッパーについて語るなら、ここを外したくない。

トゥイッチやジャークだけではない。

スローなリッピングによるダイブアクション。

これが実に面白い。

フラポッパーは、カップの形状が独特だ。

ラインアイ付近に張り出した部分があり、カップに入った水や空気を捕まえるような構造になっている。

軽くトゥイッチすれば小さな飛沫。

しっかりジャークすれば、大きく水を弾き出す。

そして、スローにリッピングすると、カップに空気を抱えたまま水面下へ潜っていく。

目安としては10cm程度。

水面で大きくスプラッシュを上げ、そのまま水中へ潜り、抱え込んだ空気を吐き出す。

この動きは、単純な「ポップ音」とはまた違う。

水面で餌を追い込んだ魚が、水面へ覆い被さるように捕食するときのような、チャガー系のアピールを演出できる。

フラポッパーを単純な「ボコッと音を出すだけのポッパー」と考えてしまうと、この部分を見落としてしまう。

フラポッパーをチューニングして「動かなさ」をさらに強調する

私はフラポッパーを少し改造して使うことがある。

やっていることは、それほど難しくない。

  • リアフックを外す
  • フロントを現代的なダブルフックに交換する
  • リア側にブレードを追加する

ブレードは#1~#2程度。

スイベルを入れて、フックへの絡みをできるだけ避ける。

これだけでも、かなり性格が変わる。

フラポッパーはもともと浮力が強い。

そのため、少し強く引くとリトリーブコースから逸れてしまうことがある。

そこで腰下に重量を追加する。

すると浮力が抑えられ、水への絡みが増える。

移動距離もさらに小さくなる。

ブレードによる抵抗も加わるので、多少強く操作してもその場に留まりやすい。

結果として、

「音は出す。でも動かない」

というフラポッパーの個性をさらに強調できる。

チューニングにはもう一つメリットがある

フラポッパーは、ノーマル状態ではフック同士が近く、フッキング時に気になることがある。

そこでダブルフック化。

これによって障害物への強さも上がる。

フラポッパーは、頭の最大径がボディより大きい。

カップのエッジも太い。

この構造は、ある意味で「エリマキ」のような役割をしてくれる。

フックがボディの下側に収まっていれば、ウィードやゴミを拾いにくい。

ダブルフックに交換すれば、さらにカバー周りで使いやすくなる。

カバーで使うフラポッパー

個人的には、フラポッパーはカバー周りとの相性がいいと思っている。

ボディがそれほど重くないので、カバーの上に乗せても自重で絡みにくい。

そして、ポケットに入れたら無理に動かさない。

まず待つ。

それから小さくポップ。

また待つ。

必要なら、そこで少し強めにリッピングしてダイブさせる。

フラポッパーは、広い範囲を探るためのルアーというより、

「魚がいそうな一点をじっくり攻めるルアー」

として使うと、その個性が見えてくる。

ただ巻きも意外と面白い

もう一つ、ちょっとした裏技がある。

ただ巻き。

最初にロッドティップを下げ、カップが十分に水を掴むようにする。

そこからミディアム程度で巻いてくる。

すると、複雑な水流とポップ音を出しながら、水面近くを走ってくる。

感覚としては、ちょっとバズベイトっぽい。

そして面白いのが、ここから。

突然止める。

すると、つんのめるように水面へ顔を出して、そのまま静止する。

これもフラポッパーならではの動きだと思う。

ノーマルか、チューニングか

もちろん、チューニングすれば何でも良くなるわけではない。

腰下の重量を増やせば浮力は弱くなる。

フラポッパー本来の派手なアピールも少し弱くなる。

だから私は、状況によってノーマルと使い分けたい。

状況 おすすめ
広く魚を探したい ノーマル
大きなスプラッシュで寄せたい ノーマル
魚のいる場所が分かっている チューニング
カバーのポケットを攻める チューニング
移動距離を小さくしたい チューニング

「使いにくい」は、実は個性だった

フラポッパーを使い始めた頃は、

  • ポップはするけど、首を振らない
  • 飛ばない
  • フックは絡む
  • どう使えばいいのか分からない

そんな印象だった。

ところが、使い続けてみると、それらの欠点が全部ひっくり返ってきた。

首を振らない。

だから、その場で誘える。

飛ばない。

だから、着水後に一点をじっくり攻められる。

強い浮力。

だから、カバーの上でも使える。

大きなカップ。

だから、弱く操作しても音が出る。

フラスカート。

だから、ポーズ中にも誘える。

つまり、

フラポッパーは「動かしやすいポッパー」ではなく、「動かさずに誘えるポッパー」なのだ。

そう考えると、かなり腑に落ちる。

フラポッパーで釣ると、なぜか嬉しい

そして何より、これ。

フラポッパーで釣ると楽しい。

少年時代に戻ったような気分になる。

昔よく行った池の、あの場所で連発したよな。

フックアップしなかったけど。

あの雨の日に掛けた魚、でかかったよな。

バラしたけど。

……バラしてばかりじゃねえか。

そんな記憶まで一緒に出てくる。

でも、そういうところも含めてフラポッパーが好きなのだと思う。

チューニングしてからは、ありがたいことにバラした記憶もない。

それはそれで、ちょっと可愛げがなくなったような気もする。

贅沢な悩みだ。

フラポッパーは「古いルアー」ではなく「古くならないルアー」

現代のポッパーには、首振り性能に優れたものもある。

飛距離が出るものもある。

細かなロッド操作に素直に反応するものもある。

そういうルアーと比べれば、フラポッパーは不器用だ。

でも、その不器用さこそが、このルアーの武器なのだと思う。

大きなカップで音を出す。

ほとんど移動しない。

フラスカートが水面で揺れる。

そして、長いポーズ。

必要なら、スローなリッピングでダイブさせる。

たったそれだけ。

でも、魚がその一点にいるなら、それで十分なのだ。

何十年も前に作られたルアーが、今でも一軍に残っている。

その理由を理解するには、スペックを見るより、実際に水に浮かべて使い込んだほうが早い。

最後に

フラポッパーは、誰にでもおすすめできる「使いやすいポッパー」ではないと思う。

でも、普通のポッパーで反応がないとき。

魚のいる場所が分かっているとき。

カバーのポケットをじっくり攻めたいとき。

そして何より、

水面でルアーを待たせることが好きな人。

そんな人には、一度使い込んでみてほしい。

まずはノーマル。

着水させる。

スカートが水に馴染むまで待つ。

軽くポップ。

そして待つ。

魚が出なければ、もう一度。

それでも出なければ、今度は少し深くリッピングしてダイブさせてみる。

フラポッパーには、派手な最新ルアーにはない「間」がある。

そして、その間を楽しめるようになると、急にこの古いルアーが面白くなってくる。

やっぱりルアーは、使って、魚を釣ってなんぼ。

そしてフラポッパーで釣れた一匹は、ちょっと特別だ。

古い。
当たり前。
今さら。

それでもいい。

フラポッパーは、まだまだ現役で使える。


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